心の絵筆

                                                   2020/09/01
 
 古来から行われてきた風習が急速に無くなっています。
 合理主義・便利さのなかで失われていく風習に目を向けてみました。

納骨の風習
 近畿地方では、ご先祖様の石碑に納骨すると共に、本山に分骨する風習があります。骨揚げの時、六角形の骨壺に喉仏と足の方から頭蓋骨にいたる骨を少し拾い、本山へ納骨します。
土葬の場合は、左右の髪と左右の爪を切り、男性は左を本山に納め・右を石碑へ納めます。女性はその逆になります。(洋服の上前と同じです)

1.何時、本山へ納骨するのか            
   告別式の翌日
   満中陰法要の朝
   満中陰を過ぎて葬儀を行った年内
   3年以上喪家で供養してから

2.納骨当日 (高野山へ納骨する)
   仏壇の前に、丸盆に白木の位牌と骨をお祭りして
   一人一人お茶を供えてお別れをしてから玄関を出ます。
   玄関を出て、最初の橋を越えるまでは、「無駄口はしない」「後ろを振り返らない」 
     川を越えることで、此岸と彼岸を区別する
     三途の川を越えて、仏の世界へ向かう     等の言われがあります。
     (古来は、墓地は川向こうには建てなかった)

 


3.旅支度
   草鞋
   弁当
    (藁を3cm位に束ね、株の方から 「おにぎり・梅干し・味噌」を包む)
   杖
(竹か木で作る)
   六文銭
(弁当に紐で吊す・六文銭の代わりに5円玉6枚でも良い)

  草鞋

弁当



六文銭


4.最初の橋を越えた向こう岸の木に、旅支度の品を供える
  最初の橋は、歩いて渡る




5.最初の橋を越えて高野山までの道中で、親戚の家か・花坂のやきもちを売っている
  お店、または景色の良いところで、最低1度は腰を据えて休む。
   腰を据えることで、大自然のなかで生かされているいのちを感じたり、
   家族の絆や先祖の思いに心を馳せる
  休憩するときも、故人にお茶を供える




6.高野山の奥の院、若しくは宿坊へ分骨します。

 
山内地図 (拡大可)

奥の院 

 続きはまた書きます。
                               美しき里の一休