心の絵筆
2018/02/10
真言宗は、7日毎に仏様が変わり49日の間を導きくださいます。
初七日の間は不動明王にお導きいただきます
不動明王は、憤怒(怒り)の形相が特徴で、仏敵を排除し、修行者をお護り下さ
います。不動とは、菩提心が揺れ動かないことをあらわし、三毒(貪・瞋・痴)を
払拭くださる仏

二七日の間は釈迦如来にお導きいただきます
お釈迦様は、紀元前6世紀にインドの釈迦族の王子にお生まれになり
まいしたが、世の無常を嘆いて、29歳で地位も妻子も捨てて修行の道
に進まれました。
35歳の時、ブッダガヤの菩提樹の下で、瞑想に入り真理(悟り)に目覚め、
仏の教えを説かれました。
亡者は、二七日の間に仏道や悟りの姿を釈迦如来から諭されます

三七日の間は文殊菩薩にお導きいただきます
「三人寄れば文殊の知恵」と言われるように、仏の智慧・大自然の叡智を
説く仏で、間違った考えや邪悪な思想を断ち、迷いや無知を正して本当の
智慧を授かります

四七日の間は普賢菩薩にお導きいただきます
文殊菩薩と共に釈迦三尊といわれます。文殊菩薩の智慧に対して、普賢菩薩は
慈悲をあらわす仏で、増益延命の徳があるとされます。その願いはすべての人々が
救われるまで尽きることがなく、お釈迦様の教えを実践修行するよう促し導く仏です

五七日の間は地蔵菩薩にお導きいただきます
お釈迦様の入滅後、弥勒菩薩が出現するまでの無仏の世を救ってくださる仏、
大地のように大きな慈悲のこころで全てのものを育み、お救いくださるとされ、
六道を輪廻するものすべてを救うために6つの姿となり現れることから六地蔵と
して祭られることもあります。
常に私達を護り導きくださる仏で、オンカカカビサンマエイソワカと称えれば、
忽ちに現れ、お救いくださります。人生で本当に困った時は、心にお地蔵様を
念じてください。必ずやご加護があります。
五七日(35日)に閻魔王の裁きを受けます
閻魔王はお地蔵様の化身です。お地蔵様は常に私達を護りお救いくださり
ますが、常に私達をみておられます。昔から「壁に耳あり障子に目あり」とい
われるように、どの様な時でも全てをみておられます。閻魔王は閻魔帳や
浄玻梨の鏡を持っておられるのは、常に見ておられることを意味します。
閻魔王の前に行けば嘘は通じません。

六七日の間は弥勒菩薩にお導きいただきます
御釈迦様の入滅後、56億7千万年後にこの世に現れて、人々を
救うとされる菩薩で宝塔を持っておられます
梵名マイトレーヤ、慈から生まれたものの意、慈氏菩薩ともい
われ、お釈迦様在世の頃の実在の人物ともいわれます。須弥山
の頂上にある兜率天(とそつてん・お釈迦様がこの世に生まれる直前に
居たとされる場所)で、未来に必ず成仏することができる「未来物」
「当来仏」といわれます。

七七日(49日)は薬師如来にお導きいただきます
左手に薬壺を持ち、心身の病気平癒を加護くされる仏ですが、49日に中陰・
中有から仏の世界へお導きくださる仏です。
明治7年に発布された「大政官布 忌服令」には、近親者は中陰の間は飲酒を
謹み、精進の物を口にし、祝い事は避け、遊びほうけることも無く、故人の冥福を
祈る期間と記されています。
死後49日目を、中陰明け・忌明けで、満中陰法要を勤めます。満中陰法要の後
のお斎(おとき・食事)を、精進明け・精進落としと言って、中陰の間は精進潔斎で
過ごしましたので、不精進の物を口にして故人との喰い別れをします。
昔は、葬儀や中陰の間(法事の時)は、味噌汁にはネギは入れてはいけない
(ネギ・玉ねぎ・ニラ・ニンニクは野菜ですが不精進物です)
厳しく精進潔斎で過ごしました。精進明けの膳には、鯖を酢でしめたキズシや
混ぜご飯(蒲鉾等が入っている)等を振る舞いました。
今は葬儀の時から刺身や肉に天ぷらを食べますが!
多くの地区では、満中陰法要の後で忌明け餅(49餅)を切って口して、喰い別れ
をしてから精進明けの膳に着きます。

美しき里の一休
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